サッカーJリーグ・鹿島アントラーズとオフィシャルパートナーである昭和産業㈱が協力して取り組む「アントラーズ食育キャラバン」。2014年に始まったこの活動は、今年で13年目を迎えました。クラブのホームタウンである茨城県の鹿嶋市、潮来市、神栖市、行方市、鉾田市の5市の小学校を訪問し、子どもたちに「食べること」と「体を動かすこと」のたいせつさを伝えています。今回は、神栖市立軽野小学校で行われたキャラバンの様子をレポートします。

アントラーズスクールコーチによる運動講座
サッカーを通して体を動かす楽しさを体感
食育キャラバンは運動講座と食育講義の2部構成です。運動講座では、アントラーズのスクールコーチ指導の下、子どもたちがサッカーボールを使って体を動かしました。2人1組でパス交換をしたり、チーム対抗でパスの速さを競ったりしながら、しだいにボールに慣れていきます。
コーチからボールコントロールや体の使い方のコツを教わると、みるみる動きも上達。最後は試合形式のゲームも行なわれ、夢中でボールを追いかける子どもたちの笑顔と元気な声が、体育館いっぱいに広がりました。



©KASHIMA ANTLERS
公認スポーツ栄養士・松田幸子先生による食育講義
5大栄養素は、みんな欠かせないチームメイト!
食育講義を担当したのは、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士の松田幸子先生。講義では、元気に体を動かし続けるために欠かせない食事や栄養のたいせつさについて学びました。松田先生は、子どもたちが興味を持って理解できるよう、サッカーに関連づけながらわかりやすく語りかけます。
「強いサッカーチームには、それぞれ役割の違う選手が必要です。同じように健康な体づくりにも、さまざまな栄養素が欠かせません」
そう話した松田先生は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素について、それぞれの働きをサッカー選手のポジションに例えながら説明しました(下図)。
さらに、5大栄養素をバランスよくとれる食事を「栄養ダブルハットトリック型」の食事と命名。主食、主菜、副菜、汁物、乳製品、果物の6つの分類をそろえることで、毎日の食事のバランスがひと目でわかるようくふうされています。子どもたちも、自分の食生活を思い浮かべながら熱心に耳を傾けていました。


5大栄養素をサッカーのポジションに例えると

サッカーのポジションってどんな役割?
⚽フォワード(FW) 相手ゴールの近くでプレーし、得点を狙うポジション
⚽センターバック(CB) 相手の攻撃を食い止める守備のかなめ
⚽サイドバック(SB) 攻撃にも守備にも参加し、長い距離を走るポジション
⚽ミッドフィルダー(MF) 攻撃と守備のつなぎ役
⚽ゴールキーパー(GK) 最後のとりで
「地産地消」についても学ぶ
地域のおいしい食材を知ることも食育
食育キャラバンでは、「地産地消」についても学びます。ホームタウン5市は、メロンやピーマン、水菜、青梗菜(ちんげんさい)、エシャレットなど全国有数の産地として知られています。また、鹿島灘の海の幸や「ローズポーク」をはじめとする畜産物にも恵まれています。
旬の食材はおいしいだけでなく、栄養価が高いことも魅力です。自分たちが暮らす地域でどのような農畜産物や水産物が作られているのかを知ることは、食への関心を高めるだけでなく、地域への愛着や誇りを育むことにもつながります。
サッカーを通して体を動かす楽しさを知り、食事のたいせつさを学び、地域の食材への理解を深める。アントラーズ食育キャラバンは、子どもたちが将来にわたって健やかな生活を送るための「食べる力」を育む取り組みです。地域とともに歩む鹿島アントラーズの思いが、この活動にはこめられています。





◉プロフィール
松田 幸子(まつだ・さちこ)
日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、管理栄養士・パーソナルトレーナー。2011年にフィットネス業界初の公認スポーツ栄養士として日本体育協会(現・日本スポーツ協会)に登録。現在、一般の健康増進・介護予防、子どもや競技選手をサポート。著書に『競泳めし 勝てるスイマーに育てる』(日刊スポーツ新聞社)がある。
協力/㈱鹿島アントラーズFC、昭和産業㈱
取材・文/高木真佐子 撮影/花田真知子
