お盆は、東京など一部の地域では7月に、日本の多くの地域では8月に迎える行事です。お盆休みといえば、お墓参りや家族との集い、あるいは旅行を楽しむかたも多いでしょう。今年、お盆休みに食べたものを、読者の皆さんに聞いてみました。
母の定番、加賀太きゅうりのひき肉あんかけ
【石川県・Dr. Kさん】
金沢には加賀野菜に「太きゅうり」という大きなきゅうりがあります。長さは普通のきゅうりの1.5倍、太さは人の腕くらいの大きなきゅうりです。
夏に出まわるのですが、亡き母はかならずあんかけにしてくれました。ひき肉といっしょにしょうゆで煮て、最後にかたくり粉を入れてあんかけにしました。
お盆に来た人は、「今年もこれが出た」という定番でした。母亡きあと、私も自分で作ってみるのですが、なぜか微妙に味が違う。夏になると思い出す料理です
◉同じ材料を使っても同じ味を再現できない、という話はよく聞きますが、お母さまの手かげん・火かげんというものが絶妙だったのでしょう。まさに「思い出の味」ですね。(編集部)
鹿児島県のお盆の郷土料理「かいのこじる」の思い出
【鹿児島県・かなカナさん】
実家は両親の親戚共に仏教徒ではなかったので、お盆は行事も特になく、のんびりした休日でした。そして、鹿児島のお盆の郷土料理「かいのこじる」を鍋いっぱいに作って食べるのが、お盆の楽しみでした。
鹿児島市では、お盆の前になると「かいのこじる」に入れる材料が、スーパーの野菜売り場に並びます。大豆、かぼちゃ、なす、にんじん、しいたけなどを小さく切って、具だくさんのみそ汁のように仕上げる、いわゆる“お精進料理”です。白いごはん・かいのこじる・お漬物で大満足できる、夏の思い出の味です。
実家は神道でしたので、法事(神道では「お祭事」といいます)でもお精進料理というものを食べたことがなく、作ることもありませんでした。
仏教徒の家に嫁ぎ、初めてお盆を経験したさいには、お仏壇の清掃準備、お坊さんの予約や親戚への連絡など、すごく忙しくて手料理を教えてもらう余裕がなく、結局仕出し弁当でした。また、夫の母は早くに他界したので、嫁ぎ先のかいのこじるの味を教えてもらえなかったのが残念です。
◉お盆の過ごし方は信仰により異なりますね。「かいのこじる」の材料が並ぶ鹿児島のお盆のスーパーを訪れてみたくなりました。それぞれの家庭の味がなんらかの形で受け継がれることを願っています。(編集部)
そのままでも、煮てもおいしい多彩なスモモ
【埼玉県・モンパさん】
8月といえば、とうもろこしとスイカ、そして桃。
お盆の少し前あたり、なぜかスモモ(プラム)を食べることが多くなります。そして、スーパーで売っているソルダムの熟れた実に当たると、とても甘くておいしいのですが、未熟でかたいものに当たることもあります。
かたくてすっぱいプラムをコンポートにすると、きれいな色に仕上がるので、いちごの代わりにケーキに飾ったリ、よく冷やすことで、これまたおいしいデザートとなり、楽しめました。
最近は、種類も増えて、さらに甘い品種があり、選ぶ楽しみも増えました。
◉スモモの種類は本当に増えましたね。今年は安売りのスモモ(貴陽に似ていたけど小さめ)がヒットでしたが、ハズレもたびたび。コンポート、いいですね。来年を楽しみに待ちたいと思います。(編集部)
温泉旅行で感動した岩手県の「いぶりがっこ」
【兵庫県・ひまわりさん】
今年のお盆は久しぶりに、主人と旅行に出かけました。
東北地方の秋田県、岩手県に出かけました。二泊目の温泉宿の朝ごはん、お米は「あきたこまち」ごはんの横に、いぶりがっこ。その横にクリームチーズがあり、「いぶりがっこにはさんで、お召し上がりください。」と書かれ、おいしそうだったので、さっそく朝ごはんに、いぶりがっこを食べました。
あきたこまちのごはんが甘くておいしく、いぶりがっこの歯ごたえ、味がとてもおいしかったです。ごはんを、おかわりする人も多かったです。かめばかむほど、おいしさが増すように感じ、先日の知恵に感謝したしだいです。
その土地で味わう味、今回はとても感動し、また出かけることがあればいいナーと思ったしだいです。
◉旅先での新しい食との出会いは思い出深いですね。温泉宿でのごはんとお漬物のある風景が浮かんで、いぶりがっこが食べたくなりました。(編集部)
石川県のお盆の食べ物 いま・むかし
【石川県・草だんごさん】
今年のお盆に食べたものを、私の小学生時代にもさかのぼってご紹介します。

図/草だんごさんのお便りをもとに編集部が作成
2026年の夏はというと…
8月13日(木)夫のいとこが来訪し、新築した息子の家で集まりました。いとこは新築祝いとおすしの盛り合わせを買ってきてくれて、私たちはPETボトルのお茶を買って行き、18時から食事会。
8月14日(金)3か所の墓参り。そのうちの1つである実家の墓は畑の中にあり、雨が降ると道が滑るので、天気がいいときにと思い、出かけました。今年は本当に暑かった。母が認知症になってから、いっしょにお盆を過ごすことはなくなりましたが、亡くなってからは墓参りだけしています。墓参りのあと、羽咋のマックスバリューでうなぎ、果物、冷やし中華を買って帰りました。
8月15日(土)うな重
8月16日(日)冷やし中華
(暑かったので、台所にあまり立たなくてすむメニューとなりました)
◉お盆期間中のくわしい内容をありがとうございます。家族の年齢やメンバーの変化とともにメニューが変化する様子、またかつてのメニューに出てくる「こぞくら」や「みたま」など、地域性が感じられる料理も興味深いです。(編集部)
新潟県のスーパー《ウオロク》の「小豆(あずき)おはぎ」
【新潟県・あずきさん】
2026年のお盆は、新潟県内に展開されているスーパーウオロクさんの小豆おはぎを食べました。小豆のしっかりした粒感としつこくない甘さで食べやすく、お盆期間に2つも食すほど、おいしくいただきました。
原材料に、新潟県村上市の「笹川流れ藻塩」を使用しているこだわりが気に入っており、甘味和菓子の味わいに深みを感じられるポイントです。
桜餡(あん)やずんだ餡など、季節によって餡のフレーバーが異なるところも魅力。秋はさつま芋餡の販売を見かけたので、食べてみます。
また、8月末に新潟県産の新品種米「なつひめ」を食べました。米粒が大きめで、食べごたえを存分に感じられたことが印象的。おにぎりにして白米のみで楽しんだほか、海苔(のり)とチーズをプラスしたお茶漬けを朝食にしました。
◉きっと地元で愛されているお店なのでしょうね。新潟に行ったらぜひ寄りたいと思いました。「笹川流れ藻塩」は以前、本誌でもご紹介したことがあり懐かしく思い出しました。新品種米も気になります。(編集部)
自家製の枝豆で作った「ずんだおはぎ」
【長野県・岡っぱさん】
家庭菜園でとれた枝豆を使ったずんだおはぎがお盆のごちそうです。

え/岡っぱさん
毎年祖母と協力して作ります。手間はかかるけど、とれたての豆の甘さと季節を感じられます。 たくさん作って帰省してきた親戚たちにふるまうと、とても喜んでくれます。
祖母は今年90歳ですが、畑をやったり手料理を作ることで生活にハリが出て楽しいようです。いつものお彼岸とは違った特別なおはぎをいっしょに作れて幸せです。
◉ずんだの鮮やかな黄緑色がきれいですね。長野県の諏訪地域では、お盆に枝豆のあんを使ったおはぎを作る食文化があることを初めて知りました。おばあさまからぜひいろいろ習って、また教えてください。(編集部)
具だくさんの仙台の味「おくずかけ」と「ずんだおはぎ」
【茨城県・おくずかけさん】
今年のお盆も、いつものように故郷仙台の味「おくずかけ」を皆で食べました。
干し椎茸たっぷりのだしが必須で、温麺・豆麩・なす・里芋・にんじん•豆腐•刻みみょうが、と盛りだくさんの具、しょうゆ味にかたくり粉でとろみをつけた、思い出深い汁物です。
お供の「ずんだおはぎ」は、香りの特によい品種の枝豆をゆで、すり鉢で少し粗めにすりつぶし、煮きりみりん•砂糖•塩少々で味つけします。
娘が作り続けてくれることを密かに願い、故郷の枝垂れ桜の下に眠るその日まで、健康で元気な高齢者でいたい! 日本栄養大学栄養クリニック・ダイエットコースでのご指導の賜物と感謝申し上げます。
◉仙台出身のスタッフからよくずんだのお菓子をもらいますが、料理に合わせて枝豆を選ぶ食文化があるのですね! 手作りのずんだおはぎを、いつか食べてみたいです。(編集部)
姉と二人で作る、母の思い出のお供え料理
【大阪府・ずんさん】
お盆には母がしていたように、お供えするものをたくさん作って私たちも同じものを食べます。
毎年、なす、かぼちゃ、里芋、しいたけ、高野豆腐等の煮物、ほうれん草のごまあえ、きゅうりとわかめの酢の物を作るのが定番です。姉と二人で、母はこんなにしていたなと思い出しながら作ります。
おやつも手作りで、お団子、水ようかん、粉寒天で作ったフルーツゼリー、蒸しパンをお供えして食べました。最後はそうめんで送ります。
お供えはそうめんとだしつゆですが、私たちはそうめんの上にレタス、きゅうり、トマトなどをたっぷりかけ、ドレッシングやマヨネーズでいただく「サラダそうめん」にしました。お盆中は、つきっきりでご先祖様のお世話をします。
◉すごいごちそう! にぎやかな食卓を前に、ご先祖様も、お二人といっしょに過ごせるお盆をさぞかし楽しみにしていることでしょうね。(編集部)
ご協力くださった皆様に深く感謝申し上げます。
次回のテーマは「秋の行事で、なにを食べましたか?」
遠足、運動会、秋祭り、防災訓練や芋煮会など、秋はイベントが盛りだくさんですね。行事と食べたものをセットで、皆さんの体験談をお待ちしています。採用された方にはささやかな記念品を差し上げます。
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