きびしい残暑が続き、暑さの疲れが出やすいこの時季。そんなときこそ、スパイスの力を借りた一皿はいかがでしょうか。今回ご紹介するのは、『栄養と料理』で人気連載「スパイスと減塩とオレ」を担当したSHINGOさん(緑川真吾さん)の減塩スパイスカレー。
おなじみのカレー粉を使った「カレーのもと」に食材に合うスパイスを組み合わせることで、塩分を控えながらも満足感のある味わいを実現しました。
定番のチキンカレー、豆たっぷりのキーマカレー、マイルドなココナツミルクカレーと、リピートまちがいなしの本格派スパイスカレー3品です。
オレが脳梗塞(こうそく)を経験して減塩を意識するようになってから感じたのは、「塩を減らすだけじゃ続かない」ということでした。じつはスパイスカレーって、塩と油が味の決め手になる料理。だから単純に減らすだけだと、どうしても味がぼんやりしてしまうんですよね。
そこでたどり着いたのが、カレー粉で作る「カレーのもと」と、減塩お助けスパイスを組み合わせる方法です。カレー粉でうま味とコクの土台を作り、そこに食材に合うスパイスを1〜2種類プラス。香りを重ねることで、塩分や油を控えても満足感のある味になります。
減塩はがまんではなく、おいしく続けることがいちばん。このカレーには、そんなオレなりのくふうを詰め込みました。スパイスの香りや奥深い味わいを楽しみながら、減塩でもおいしいスパイスカレーの魅力をぜひ体感してみてください。

今回使う「減塩お助けスパイス」

まず、カレーのもとを作る。

【材料/作りやすい分量(約4人分)】
- 玉ねぎ(みじん切り)…1個(200g)
トマト水煮缶…100g
にんにく(みじん切り)…1かけ(5g)
しょうが(みじん切り)…1かけ(5g)
オリーブ油…大さじ1
カレー粉…大さじ2
塩…ミニスプーン2※
※ミニスプーン1は、1mL。
[1/4量61kcal(0.8点) 食塩相当量0.5g]
【作り方】
1 香味野菜をいためる
フライパンにオリーブ油、にんにく、しょうがを入れて弱火で約2分いためて香りを引き出す。

2 強火でいためる
玉ねぎを加えて強火でいためる。

3 焦げないように水で調整
玉ねぎが焦げそうになったら、水適量(目安は1/2カップ弱)を少しずつまわしかける。

4 あめ色にいためる
水分をとばしながら中火であめ色になるまでじっくりいためる。

5 トマトの水煮を加える
トマトの水煮を加え、よく混ぜながらいためて水分をとばす。

6 カレー粉を加える
塩とカレー粉を加え、よく混ぜながら約1分いためて火を消す。

チキンカレー

【材料/2人分】
- 鶏ももから揚げ用肉(皮を除く)…200g
オリーブ油…小さじ1
カレーのもと…1/2量
クローブパウダー…小さじ1/2
シナモンパウダー…小さじ1/2
水…1/2カップ
顆粒ブイヨン…小さじ1/2
クミンライス…300g
[1人分524kcal(6.6点) 食塩相当量1.0g]
【作り方】
- フライパンにオリーブ油と鶏肉を入れて中火にかけ、全体に焼き色をつける。
- 弱火にして「カレーのもと」を加え(写真A)、軽く混ぜる。
- クローブパウダー、シナモンパウダーを加え(写真B)、よく混ぜながら2分ほどいためる。
- 分量の水とブイヨンを加えて強火にし、煮立ったら弱火にしてふたをして5分ほど煮る。
- 器にクミンライスを盛り、❹をかける。



●クミンライス
【材料/メスティン※1合分】
- │米…1合
│水…1合分(180mL)
オリーブ油…小さじ1/2
[a]
|クミンシード…小さじ1/3
|ターメリックパウダー…小さじ1/3
※アウトドア用品として人気のアルミ製の飯盒。炊飯だけでなく、煮る、いためる、蒸すなどの調理に使うことができて便利。
[1/2量268kcal(3.4点) 食塩相当量0g]
【作り方】
- 米は洗って水けをきり、メスティンに入れて分量の水を注ぎ、30分おく。
- オリーブ油とaを加え、メスティンにふたをして強火にかける。煮立ってきたら弱火にして10分ほど炊飯し、火を消す。
- 軽く混ぜ、ふたをして10分ほど蒸らす。
❖SHINGO’s MEMO❖
このカレーは具も水分量も少なめなので、直径20㎝くらいのフライパンが作りやすいです! 鶏肉に焼き色をつけるとカレーの風味がさらによくなります。
ひよこ豆のキーマカレー

【材料/2人分】
- ひよこ豆(水煮)…200g
牛豚ひき肉…100g
さやいんげん…20g
カレーのもと…1/2量
クミンシード…小さじ1/2
カルダモンパウダー…小さじ1/2
粒入りマスタード…小さじ2
バター(食塩不使用)…10g
クミンライス…300g
グリーンピース(水煮)…6粒
[1人分652kcal(8.2点) 食塩相当量0.3g]
【作り方】
- ひよこ豆は水洗いしてざるにあげ、水けをきる。さやいんげんは両端を切り落とし、熱湯でゆでて5㎜幅に切る。
- フライパンにバターとクミンシードを入れて弱火にかけ、香りが立つまでいためる(写真C)。ひき肉を加えて木べらでくずしながら中火でいためる。
- 「カレーのもと」と粒マスタード、カルダモンパウダーを加え、全体をいためながらよく混ぜる。
- ❶を加え、よく混ぜながら2分ほどいためる。
- 器に❹とクミンライスを盛って、グリーンピースをのせる。

❖SHINGO’s MEMO❖
キーマカレーにひよこ豆やレッドキドニービーンズなどの豆を合わせると、食感と風味が楽しめます。牛豚ひき肉の脂には香りの強いカルダモンが相性◎
サバと竹の子のココナツミルクカレー

【材料/2人分】
- サバ水煮缶…1缶(190g)
カレーのもと…1/2量
竹の子(水煮)…100g
ココナツミルク…3/4カップ
コリアンダーパウダー…大さじ1
雑穀ごはん…300g
香菜(しゃんつぁい)…適量
[1人分685kcal(8.6点) 食塩相当量1.3g]
【作り方】
- 竹の子は薄切りにする。
- フライパンに❶と「カレーのもと」、ココナツミルク、サバ缶を汁ごと入れる(写真D)。
- 中火にかけ、「カレーのもと」をココナツミルクにとき混ぜる。コリアンダーパウダーを加え、5分ほど煮る。
- 器に雑穀ごはんを盛って❸をかけ、香菜をのせる。

❖SHINGO’s MEMO❖
香りがマイルドなコリアンダーパウダーは多めに入れてもOK!「カレーのもと」さえあれば10分かからずに完成します。食感がアクセントになる竹の子は、減塩スパイスカレーにおすすめの食材です。
| みどりかわしんご●カレーユニット・東京カリ〜番長で「SHINGO/3LDK」という愛称で17年間活動。2021年、47歳のときに脳梗塞を発症し、右片マヒに。『栄養と料理』での連続企画「スパイスと減塩とオレ」(2023年6月号~12月号)では、「減塩お助けスパイス7」を駆使した料理を多数紹介。リハビリと病気の再発予防を兼ねて1日3食、健康を意識して実践している自炊の様子をインスタグラムで紹介している。 ❖SHINGOさんのインスタグラム❖ 「shingo3ldk」 https://www.instagram.com/shingo3ldk |
料理/緑川真吾 撮影/キッチンミノル 取材・原文/大久保朱夏
・本記事は『栄養と料理』2024年1月号(p26-31「SHINGOさんの減塩スパイスカレー」)をもとに、ウェブ掲載用に再編集しています。
【関連記事】
★SHINGOさんの記事は下記からもごらんいただけます(閲覧は有料会員限定。ログインしてご利用ください)。
・『栄養と料理』2023年6月号~12月号 (連続企画「スパイスと減塩とオレ」)
・『栄養と料理』2024年9月号 (p49-53「ワンハンド・クッキング(前編)」)
・『栄養と料理』2024年10月号 (p53-57「ワンハンド・クッキング(後編)」)
・『栄養と料理』2025年7月号 (p44-50「スパイスはタイミングが命」)