常用食品は要チェック! 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 正誤表を読む【成分表連載55】

栄養 食品成分表
渡邊智子 わたなべともこ

学校法人食糧学院 東京栄養食糧専門学校 校長


東京栄養食糧専門学校校長。医学博士。千葉県立衛生短期大学、千葉県立保健医療大学、淑徳大学を経て現職。千葉県立保健医療大学名誉教授、千葉県学校保健学会理事長、産業栄養指導者会会長。文部科学省による日本食品標準成分表の策定に食品成分委員会委員等として30年にわたり携わり、成分表活用の研究・提言を行なう。千葉県食育推進県民協議会委員として千葉県の食育ツール(グー・パー食生活ガイドブック等)の開発・普及も行なっている。『八訂食品成分表2024』本表監修(女子栄養大学出版部)。著書に『これだけは知っておきたい!「食品成分表」と「栄養計算」のきほん』(講談社)ほか。


はじめに

2026年4月から、女子栄養大学は学校名を日本栄養大学に変更しました。それに伴い、女子栄養大学出版部は日本栄養大学出版部に、女子栄養大学出版部WEBサイトは日本栄養大学出版部に名称が変更されました。そこで、食品成分表の連載は、今回から「栄養と料理プラス」で掲載を行うことになりました。

ここでは、食品成分表に関する四方山話(よもやまばなし)をお伝えします。もちろん、これまで通り、食品成分表に関するトピックスや読者の皆様からのリクエストにも、タイムリーに対応していきます。

そこで第1回目は、2026年3月27日に公開された「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表」について記載します。

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html は、文部科学省が策定した 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(令和2年12月、文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分科会報告) https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html の一部を更新・追記したものです。

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」は、官報販売所が冊子として発売した最後の成分表です。冊子は計4冊あります(日本食品標準成分表2020年版[八訂]、同 アミノ酸成分表編、同 脂肪酸成分表編、同 炭水化物成分表編―利用可能炭水化物、糖アルコール及び有機酸―)。これらすべてを見たことがある方は、少ないかもしれません。図書館でぜひご覧ください。情報量の多さに、きっと驚くことと思います。

前述した4冊の冊子は、実務で利用するには扱いづらい(大きくて重い冊子です)ため、「八訂食品成分表2026」(日本栄養大学出版部)のように、4冊分をまとめた食品成分表が、民間の出版社から刊行され、利用されています(アミノ酸成分表編、脂肪酸成分表編、炭水化物成分表編は電子版として収載)。

民間の食品成分表は、出版社ごとの考え方に基づいて創意工夫が凝らされており、どれも特徴のある仕上がりになっています。多彩な成分表ですので、これらも図書館で、ゆっくり比較して見てみると楽しいと思います。民間の食品成分表を選ぶ際のポイントの1つは、最新の文部科学省の成分表に準拠していることです。現時点では、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年準拠」と記載されているかどうかが重要です。

3-1)入手先

初耳という方も多いかもしれませんが、令和8年3月27日に、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表について」が、Excelファイルとして文部科学省資源室から公表されました。成分表に関する情報(改訂版の公表や正誤表の公表)は年末に公表される印象を持っている方も多いと思います。令和7年12月末には増補版の公表がなかったため、ほっとしていた方もいたかもしれません。

現在、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」のページを開くと、下の方に正誤表への案内が掲載されています(写真1・赤枠)。正誤表は、Excelファイルとしてダウンロードし、入手することができます。
写真1「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」のページ

3-2)正誤表ファイルの中身

早速、ダウンロードしてみましょう。 ・正誤表(データ)
表1 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表(Excelファイル)のシート内容
シートの並び順 シート名 対応する日本食品標準成分表等 正誤の対象(食品数・事項数等)
本表第1章 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の表12と表13 4食品
本表第2章 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の本表(成分表) 食品数50件(正誤事項67件)
本表 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の本表(成分表) シート2のうち変更箇所が多い5食品
ア第2章 日本食品標準成分表2020年版(八訂)アミノ酸成分表編 第2章アミノ酸成分表(表1~4) 食品数10件(正誤事項12件)
ア第1表 日本食品標準成分表2020年版(八訂)アミノ酸成分表編 第2章アミノ酸成分表  (第1表可食部100 g当たりのアミノ酸成分表, 第2表基準窒素1g 当たりのアミノ酸成分表, 第3表アミノ酸組成によるたんぱく質1g 当たりのアミノ酸成分表, 第4表(基準窒素による)たんぱく質1g 当たりのアミノ酸成分表) シート4のうち変更箇所が多い4食品
ア第4表 日本食品標準成分表2020年版(八訂)アミノ酸成分表編 第2章アミノ酸成分表 第4(基準窒素による)たんぱく質1g 当たりのアミノ酸成分表 シート4のうち変更箇所が多い1食品
脂第2章 日本食品標準成分表2020年版(八訂)脂肪酸成分表編 第2章(第1表 可食部 100 g 当たりの脂肪酸成分表(本表),第2表 脂肪酸 100 g 当たりの脂肪酸成分表(脂肪酸組成表),第3表 脂質1g 当たりの脂肪酸成分表) 食品数7件(正誤事項8件)
炭第2章 日本食品標準成分表2020年版(八訂) 炭水化物成分表編-利用可能炭水化物,糖アルコール及び有機酸- 第2章(本表 可食部100 g 当たりの炭水化物成分表(利用可能炭水化物及び糖アルコール),別表1 可食部 100 g 当たりの食物繊維成分表,別表2可食部 100 g 当たりの有機酸成分表) 食品数3件(正誤事項9件)
9 炭本表 日本食品標準成分表2020年版(八訂) 炭水化物成分表編-利用可能炭水化物,糖アルコール及び有機酸- 本表 可食部100 g 当たりの炭水化物成分表(利用可能炭水化物及び糖アルコール) 3食品
10 炭別表1 日本食品標準成分表2020年版(八訂) 炭水化物成分表編-利用可能炭水化物,糖アルコール及び有機酸- 本表 可食部100 g 当たりの炭水化物成分表(利用可能炭水化物及び糖アルコール) 6食品
何はともあれ、正誤表を反映した食品成分表を入手したい、という場合は、
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年:文部科学省 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
から入手してください。ここから入手できる成分表は、正誤表が反映されたものです。 正誤表が公表されたのは2026年3月27日であるため、当然のことながら、2026年2月頃に出版された各社の食品成分表には、この内容は反映されていません。これらの修正が反映されるのは、2027年発行の食品成分表を待つことになるでしょう。そのため、現時点では、現在利用している食品成分表の数値を、正誤表を参照して修正する必要があります。 最も気になる(必要とされる)正誤表は、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に関するものです。以下では、その内容について述べます。

5-1)第1章について

第1章の修正は、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表(Excelファイル)」のシート「第1章」に記載されています。 対象となっているのは、表12「調理方法の概要および重量変化率表」(日本栄養大学出版部発行の『食品成分表2026』では303ページ)および表13「揚げ物における衣の割合及び脂質量の増減」(日本栄養大学出版部発行の『食品成分表2026』では328ページ)のみです。修正箇所は、表12では1食品1か所、表13では3食品3か所となっています。これらは、正誤表(Excelファイル)のシート1に記載されています(表2)。
表2 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表(Excelファイル)のシート「本表第1章」 (表をクリックすると別タブで開きます)

5-2)第2章(本表)について

食品成分表の修正内容は、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表(Excelファイル)」のシート「本表第2章」および「本表」に記載されています。 シート「本表第2章」を表3に示しました。緑字赤字は、同一食品についての修正箇所を示しています。「誤」と「正」が黄色地で示されている食品は、修正箇所が多いため、シート「本表」に収載されている食品です。 主な変更点は以下のとおりです。
  • 食物繊維については、分析方法をプロスキー変法から AOAC 2021.25 に変更した食品について、成分値の改訂が行われています。
  • 備考欄の「容量と重量」については、パン粉、ジャム、油脂類で改訂が行われた食品があります。
  • ベーコン類ではエネルギー値が改訂されています。これは、利用可能炭水化物の改訂に伴うものです。
表3 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表(Excelファイル)のシート「本表第2章」 緑字および赤字は、同一食品についての修正箇所を示している。「誤」と「正」が黄色地で示されている食品は、修正箇所が多いため、シート「本表」に収載されている食品。(図をクリックすると別タブで開きます) ●表をクリックするとEXCELファイルがダウンロードできます。
シート「本表」を表4に示しました。ここに収載されている5食品を常用しているユーザーは、多いのではないでしょうか。ぜひ、常用している食品成分表のデータを修正しましょう。
  1. だいず[納豆類] 糸引き納豆
  2. <畜肉類> うし[乳用肥育牛肉] かた 脂身つき 焼き
  3. <調味料類>(トマト加工品類) トマトケチャップ
  4. <調味料類>(ドレッシング類) 半固体状ドレッシング マヨネーズ 全卵型
  5. <調味料類>(ドレッシング類) 半固体状ドレッシング マヨネーズ 卵黄型
表4 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表(Excelファイル)のシート「本表」 赤字は修正箇所を示している。(表をクリックすると別タブで開きます) ●表をクリックするとEXCELファイルがダウンロードできます。

おわりに

「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の正誤表(Excelファイル)」について記載しました。アミノ酸成分表編、脂肪酸成分表編、炭水化物成分表編については、それぞれ対応するシートを確認してご自身が利用している食品成分表を修正しましょう。

現在、「日本食品標準成分表(八訂)」の次の増補版の公表に向けた作業も進んでいるようです。次の成分表では、今回の修正内容が反映されるとともに、食品の追加なども行われるそうです。公表を楽しみに待ち、その時点から新しい成分表を活用していきましょう。


【BOOK】
『八訂 食品成分表2026』
栄養計算ソフトほか全部で3つの電子版付録がついています

香川明夫/監修
私たちが日ごろ食べている食品にはどんな栄養素がどのくらい含まれているのでしょうか? 「食品成分表」はそのデータ集です。女子栄養大学出版部では食と健康に関する最新資料とともにまとめて毎年出版しています。
詳細はこちら


常用食品は要チェック! 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 正誤表を読む【成分表連載55】
https://www.eiyotoryori-plus.com/webmagazine/food_composition_table/9706/
一覧へ戻る

有料会員登録

有料会員になると、さまざまな特典を
ご利用いただけます!

お申し込みはこちら
クイックAI検索 ページトップへ