日本栄養大学栄養学部の食文化栄養学科2年生3名が、日本栄養大学出版部でのインターンシップの成果の一つとして本記事を作成しました。現役大学生が実感した「骨」の重要性とは? そして、その骨の健康はどう守れるのでしょうか?
骨量は20歳がピーク⁉︎
大学生の皆さん、「骨粗鬆症の予防なんてまだまだ先の話でしょう?」と思っていませんか? じつは、私たちの人生の中で骨量ピーク※を迎えるのは20歳前後といわれています。
※骨量ピークとは、一生の中で骨の量がもっとも多くなる時期のこと。
私たちは、日本栄養大学栄養学部の食文化栄養学科の必修科目である「栄養と健康」という講義で、上西一弘教授から骨や健康について教わりました。その中で特に衝撃的だったのが、「骨粗鬆症が進むと、骨がもろくなり、転倒しなくても、日常生活のちょっとした動作で背骨がつぶれるように骨折することがある(圧迫骨折)」という事実でした。
図1 圧迫骨折による姿勢の変化

骨がもろくなると姿勢が曲がり痛みを伴うだけでなく、それがきっかけで筋肉量や身体的機能が低下するサルコペニアに至ります。また、身体だけでなく、精神面や社会面でも閉じこもってしまう状態にるフレイルを招きます。上西教授の講義では、それらを予防するためにも若いころから骨をたいせつにすることの重要性を痛感しました。
しかし、今日カルシウムをたくさんとったからといって、明日すぐに骨量が増えるわけではありません。骨のケアは「貯金」のように日々の地道な積み重ねが大切なのです。骨量ピークを迎える大学生の今、骨粗鬆症の予防はもうすでに始まっているのです。
骨量をはかってみた!(3人ともクリア♪)
今回、私たちは授業内で実際に骨量測定を受け、骨の硬さを示す「スティフィネス値」をはかりました(今回は右足のかかとで測定)。
そこで、同じクラスの学生たちにスティフィネスの数値と、「なぜその数値になったのか」というアンケートとりました。このスティフィネス値は、110の基準値を超えていれば将来的に骨の健康面で心配がないとされています。
図2 スティフィネス数値アンケート結果

表 骨量の数値とその理由

110を超える高い数値が出たクラスメイトの理由としては、「小中高で運動部をやっていた」「普段から牛乳を毎日飲んでいる」「毎日6000〜7000歩は歩いたり筋トレをしている」といった記述が多く見られました。
成長期の運動習慣や日ごろの乳製品の摂取がなんらかの形で骨量の充足に関連していることがわかりました。ちなみに、インターン生3人とも110以上を記録し、無事クリアすることができました。
一方で、数値が110に届かなかった人の回答に、「小さいころから運動をしてこなかった」「普段からカルシウムを意識していない」といった記述が見られました。
講義では、幼少期のカルシウムの摂取や運動習慣が将来の骨量に影響するという話はあったものの、そんなに違いは出るものだろうかと思っていました。しかし、見事に教科書通りの結果となり驚きました。運動よる骨への刺激や、カルシウム摂取の有無が数値の差にわかりやすく表われる結果となりました。1クラスでとったデータから、過去と現在の生活習慣が骨の健康に直結しているか実感できる貴重な機会となりました。
どうすれば骨量をキープできる?
さて、骨量の差異はありましたが、だれもが加齢に伴う骨量低下のリスクをかかえているということも学びました。では、将来のために現在の骨量数値を落とさないためには、どうしたらよいのでしょうか。そのポイントは「食事」「運動」「日光浴」の3つにあります。
まず「食事」骨の材料となるカルシウムはもちろん、その吸収を助けるビタミンDやビタミンKも充分に摂取することがたいせつです。1日あたり、牛乳コップ1杯(200ml)やチーズ(6Pチーズ)1〜2個などの乳製品や小魚、納豆1パックなどの大豆製品、きのこ類を毎日の食事にプラスするとよいです。あまり食べていなかった…というかたはぜひいつもの食事にとり入れてみてください。
次に「運動」です。「運動する時間なんてない…」というかたもいるかと思いますが、ここでいう「運動」はスポーツに限らず日常生活での活動も含みます。骨は物理的な刺激や負荷を受けることで強くなるため、エスカレーターを使わずに階段を使ったり、なるべく長く歩いて移動したり、軽いジャンプをするだけでも充分な効果が得られます。厚生労働省が推奨する1日の歩数目標値は、18歳から64歳でおよそ8000歩と掲げられています(出典①)。
最後に「日光浴」です。ビタミンDは、食事からだけなく、日光(紫外線)を浴びることによって体内でも合成されます。「日焼けやシミが心配…」というかたも少なくはないと思いますが、日差しが強い夏場は5分〜10分、冬場は30〜40分(出典②)程度、手や足などの体の一部だけに日光を当てるだけでもビタミンDは作られます。しかし、「少しでも日光に当たることはできない」というかたは、日々の食事からビタミンDをしっかりとることが重要となります。ビタミンDを多く含む食品には、サケやサンマなどの魚類、しいたけなどのきのこ類があげられます。
このように、骨量を維持するためには、カルシウムやビタミンDなどを食事からとることに加え、適度な運動や日光浴を組み合わせることがたいせつです。日光浴だけに頼らず、魚やきのこ類からビタミンDをとり、通学・通勤時に歩く時間を増やすなど、自分の生活スタイルに合わせた無理のない骨活を楽しく続けていきましょう。
「骨を守る生活習慣」とは? 3人の学生の実践例を紹介!
最後に、私たちインターン生3人が日ごろから意識して行っている「骨を守る実践例」をご紹介します。
階段を活用する
1人目の実践例は、わざわざ運動時間を作らず階段を活用することです。
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「移動時や学校内の移動をできるだけエレベーターを使わず、階段の上り下りをするようにしています。運動のために時間を作ると思うとハードルが上がりますが、移動のついでなら気軽にしっかり体を動かせて、骨によい影響を与えられるからです」
階段+日光浴
2人目の実践例は、1人目と同じく移動時の階段を使うこと、そして日光浴の確保です。

「アルバイト先までの25分間を徒歩移動にすることで、太陽の光を充分に浴びることができます。また、普段の間食に牛乳を使ったホットココアを飲んだりして、無理なく日常にとり入れています」
乳製品の間食+睡眠
3人目の実践例は、手軽な乳製品の間食と充分な睡眠です。

「小腹がすいたときの間食」には、グラノーラに牛乳をかけたものやヨーグルトを食べることでカルシウムを補給しています。また、骨の維持や体のメンテナンスのためにもしっかり睡眠をとることを意識しており、日付が変わる前には就寝して毎日最低7時間は睡眠時間を確保しています」
このように、特別なことをしなくても、間食の選び方や移動時のちょっとしたくふうを加えるだけで、充分に骨を守ることができます。
皆さんも、皆さんも、「これならできそう」と思える方法を見つけて、いっしょに骨を守っていきましょう。
出典一覧
- 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf (2026年10月8日閲覧)
- 「ビタミンDと日光浴」北海道薬剤師会 https://www.doyaku.or.jp/guidance/data/R3-2.pdf (2026年10月8日閲覧)
企画・構成・文/岡田紗奈、三角真菜、濱 コハル 監修/上西一弘(日本栄養大学 教授)
・表紙のイラストはChatGPTで作成。
私たち3人は、『栄養と料理』の昭和〜平成バックナンバーを紹介するインスタグラムを毎週金曜日に更新しています。見知らぬ時代の食卓風景や健康記事を見て感じたことを綴っているので、よろしければこちらもお楽しみください。
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