スポーツ別! 夏でも安全に練習するための熱中症予防のポイントと対策

健康

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    夏のスポーツ活動で最も注意したいのが「熱中症」です。特に部活動では、気温だけでなく「競技の特性」や「練習の内容」によっても、リスクが大きく変わってきます。 
     
    早稲田大学スポーツ科学学術院准教授で、運動生理学が専門の細川由梨さんに、スポーツの種類別に注意すべき熱中症予防のポイントを伺いました。

    熱中症のリスクは気温だけでなく、活動内容が大きく影響する

     スポーツ活動が安全に行なえるかどうかを判断する目安は、熱中症予防の目的で発表されている暑さ指数(WBGT)です。環境省と気象庁は、暑さ指数の予測値を基にした「熱中症警戒アラート」を発表し、注意を呼びかけています。練習計画を立てるさいはかならず確認しましょう。

     また、熱中症の重症例をみると、単純な気温の高さだけが原因ではないことがわかります。走り込みのような強度の高い練習を急に行なうことなど、活動内容が大きく影響しています。状況に応じて、練習メニューや活動時間を柔軟に調整することが不可欠です。 

    スポーツ別に考える熱中症予防のポイントと対策

     どのスポーツにも共通していえる熱中症対策は、「適度な休憩」と「こまめな水分補給」です。熱中症になりやすい状況が考えられるスポーツごとに、予防のポイントと対策をご紹介します。

    サッカー・長距離走など

     サッカーや持久走のように長時間、動き続ける競技は、体温が上昇した状態が途切れずに続くため、熱中症のリスクが高くなります。日差しの強い午後ではなく、比較的涼しい朝や夕方に集中して練習するようにしましょう。

    アメリカンフットボール・剣道など

     防具を着用する競技は熱がこもりやすいため、熱中症のリスクが高くなります。休憩時間はできる限り防具をはずしましょう。水分補給のためにヘルメットを少しずらす程度ではなく、「完全にはずす」のが鉄則です。できるだけ体表面を広く風に当てたり、冷たいものに触れたりして熱を逃がします。大人数の場合は送風機などを準備して、まとめて一気に冷やすと効率的です。

    野球

     野球は試合中でもすわったり、水分補給をしたりできるので、予防策を実行しやすい競技といえます。ただし、試合展開によっては終了時間が読めず、長引くこともあるので注意が必要です。キャッチャーは、攻撃時は防具をできる限りはずすことで、体にこもった熱を逃がしやすくなります。 

    バドミントン 

     屋内スポーツの中でも特にバドミントンは、競技中にシャトルが風で飛ばないよう、窓や戸を閉め、扇風機も使用できません。空調設備が整っていない体育館では、屋内でも熱中症のリスクが高まりますので、充分に気をつけてください。

    熱中症の予防にも応急処置にも、効果的な「身体冷却」を

     熱中症が疑われる場合は、休ませて水分補給させること。そのうえで、体温を下げる「身体冷却」が重要です。身体冷却には、以下の2種類があります。 

    体の外から冷やす「外部冷却」

     「外部冷却」では、扇風機の風や氷嚢を使います。重症者の場合はなるべく広く体表面を一気に冷やすことが必要になるため、氷囊ではなかなか追いつきません。活動場所にアイスバス(水風呂)を準備できれば理想的ですが、現実にはなかなかむずかしいので、薄手のタオルを氷水でぬらして体に当てる「アイスタオル」や、ホースで冷たい水を体にかける方法も覚えておくとよいでしょう。 

    体の中から冷やす「内部冷却」

     「内部冷却」では、冷たい水などを飲んで体の中から冷やします。代表的な方法としては、液体に微細な氷の粒が混ざったシャーベット状の「アイススラリー」と呼ばれる飲料があり、スポーツ選手や部活強豪校の中では広くとり入れられています。普通の冷たい水を飲むよりも、体内の熱をしっかり吸収し、効率よく体を冷やすことができます。

     アイススラリーは専用の機械で作られるほか、市販品もありますが、ミキサーがあれば同じような効果が得られる「クラッシュドアイス」を作ることもできます。

     ウォーミングアップのときに内部冷却をとり入れると、筋肉は温めつつ深部体温の急上昇を予防することができるので、効率がよいとされています。ただし、効果を発揮するためには一度だけでなく、こまめに摂取することが重要です。

    練習環境と生活習慣を整えて、夏を乗り切ろう

     熱中症を防ぐには、種目ごとの特性を理解し、それぞれに合わせた適切な対策を行なうことがたいせつです。そして、きびしい暑さの中でも運動を続けられる体は、いわゆる健康的な生活習慣があってこそ成り立ちます。中高生の中には、しっかり朝食をとらずに部活の練習に来る子も多くいると聞きます。食事や睡眠などの基本的な生活習慣を整えたうえで、安全にスポーツを楽しんでください。 

    ・本記事は『栄養と料理』2024年8月号に掲載の記事(p73-78「スポーツをする小中高生の熱中症対策」)をもとに、ウェブ掲載用に再編集しています。 全文はリンクよりごらんいただけます(閲覧は有料会員限定。ログインしてご利用ください)。  

    監修:細川由梨(ほそかわゆり) 
    早稲田大学スポーツ科学学術院准教授。米国コネティカット大学大学院キネシオロジー研究科運動生理学専攻博士課程修了、運動生理学博士(PhD)。米国BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)の資格も保有し、現場経験を積みながら熱中症や体温調節、運動時の安全管理を中心に研究を重ねる。東京オリンピック・パラリンピックでは、暑熱対策に関するアドバイザーを務めた。

    取材・文/フナモト マユミ え/ナカミサコ

    スポーツ別! 夏でも安全に練習するための熱中症予防のポイントと対策
    https://www.eiyotoryori-plus.com/webmagazine/health/15149/
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