ガーナ
文と写真/岡本啓史(国際教育家)
Ndi
「ンディ(Ndi)」は、西アフリカに位置するガーナの南東部に暮らす「エウェ族」の言葉(Eweエウェ語 /ˈeɪ.weɪ/)で「おはよう」を意味します。エウェ語は、西アフリカの沿岸地域に広く分布し、トーゴやベナン、ナイジェリア南西部でも話されています。
ガーナといえば「チョコレート」!?
ガーナについて聞かれたら、多くの日本人はこう答えるかもしれません。
実際、ガーナチョコレートは1960年代から日本で親しまれてきました。そして、ガーナは世界第2位のカカオ生産国です。
しかし、チョコレート以外のガーナについてはどうでしょうか?
たとえば、ガーナは1957年にサハラ以南のアフリカで、初めて植民地支配から独立を果たした国です。首都アクラにある「ブラックスター・スクエア(独立広場)」には、その歴史を称える記念碑が建てられています。
それでは、さらにガーナについて深掘りしていきましょう。

首都アクラのブラックスター・スクエア(独立広場)。
「ケンテ布」が象徴する、ガーナの多様性
今回紹介するのは、ガーナのエウェ族出身のパイアスさんの朝ごはんです。
パイアスさんは、現在ユニセフ(UNICEF)で勤務しており、社会人類学や行動変容の専門知識を持つ情熱的なガーナ人です。人々の行動の背景にある文化や社会構造につねに関心を持ち、「なぜ人はそのように振る舞うのか?」という問いを探求しています。
彼にとって「多様性」とは、ガーナの象徴である「ケンテ布(Kente)」のようなもので、ひとつひとつ異なる色や模様が織りなす布地のように、すべての文化や視点が人類の美しさを形作っているのだといいます。


〈1枚目〉ガーナ出身のパイアスさん。〈2枚目〉多様性の象徴であるといわれるガーナの織物「ケンテ布」。